ネット炎上は社会悪?
ネット炎上は社会悪で、誹謗中傷を受けた当人だけではなく、社会全体に様々な悪影響を及ぼします。
実際に社会へ大きな影響を与えた事例を見ながら、ネット炎上の問題点を見ていきましょう。
被害者が加害者になる
ネットイジメやSNSでの誹謗中傷などの被害を受けた方は、今度は自分が加害者へなろうと考える方が多いです。
実際にネット炎上や誹謗中傷は年々増え続けているデータがあり、炎上させる目的で中傷行為をしている人の大半が、自分自身もネット上で何かしらの被害を受けた経験を持っていると言われています。
炎上商法が生んだ犯罪者
2020年に「へずまりゅう」というユーチューバーの迷惑行為が大きな話題になりました。
大物ユーチューバーに悪質な凸行為(いわゆる突撃、アポ無しで他者の配信や自宅、家屋に乱入・突入すること)を繰り返して人気を獲得し、周囲がチヤホヤしたことで調子に乗った言動を取る状況へ発展。
さらに、真似をして迷惑行為など過激な投稿をする人が増加し、YouTubeおよびネット社会の秩序を乱しています。
へずまりゅうの場合は、凸を行った際の暴行とスーパーで会計前の商品を食べた動画を出した理由で逮捕されました。
大きな問題になったのは逮捕される直前に新型コロナウイルスへ感染していたことで、警察官を含めて関連した人から多数の感染者が出ています。
ニュース番組でも特集を組まれる事態に発展し、まさにネット炎上が生んだモンスターと呼べる存在です。
テレビやメディアの衰退
テレビやメディアなど影響力が大きな媒体ほど炎上による被害が大きくなるもので、昨今は炎上を回避した無難な企画・演出が増えています。
テレビやYouTubeをご覧になる方なら、以前よりも過激な内容が少なくなって全般的につまらなくなったことを実感しているのではないでしょうか?
YouTubeが流行した要因の一つとして、テレビではスポンサーの顔色伺いで自主規制が多くなり、無難な番組が増えたことが関係しています。
結果、過激な動画が認められたYouTubeの需要が高まり、炎上商法や迷惑系ユーチューバーが誕生する事態になったのでしょう。
そのYouTubeでも広告収入を奪われることを嫌ったユーチューバーが過激なことを控えるようになり、皮肉にもテレビの二の舞を演じています。
情報配信の停止
昨今は自ら死を選んだ木村花さんのことなどが問題になり、炎上を控えるためには沈黙が最善といった考え方が浸透しています。
たしかにネット炎上に巻き込まれないためには何も発信しないことが理想ですが、ネット上の有益な情報の発信も停止されれば存在価値がなくなってしまうでしょう。
炎上を問題視するニュースが起こる度に、本当に必要な情報もネットから少なくなっています。
計り知れない負の連鎖
ここまで紹介した以外にもネット炎上は以下の悪影響を社会へ与えています。
- 風評被害を受けた企業の業績悪化→経済の衰退
- ネガティブな考え方を持つ人が増えている
- ネットで中傷の投稿を繰り返して悪いことを判断できなくなる人が増えている
- 悪評の多い職業の人員不足
- ネット依存症になる人の増加
このほかにも若者がお金を稼ぐことへの意欲がなく、車など大きな買い物をしない人が増えていること。
生涯未婚率の上昇などネット炎上の社会悪から間接的に影響を与えていることが多数あります。
ネット炎上の社会悪には計り知れない負の連鎖が生じていて、既に国策としてネット炎上を減らすための議論が始まっています。
今後はネットの在り方が少しずつ変化していくでしょう。